
オックスフォード大学在籍中のわずか18歳のときに書き上げたガイ・バートのデビュー小説を、「アメリカン・ビューティー」「ゴーストワールド」のソーラ・バーチ主演で映画化したミステリー・サスペンス。次第に明かされる<穴>での悪夢、そして衝撃の真実を巧みな構成で語る。音楽は「π」「レクイエム・フォー・ドリーム」で注目されたクリント・マンセル。
イギリスでも指折りの名門パブリック・スクール、プレイボーン学園。ここに通う4人の生徒が、ある日忽然と姿を消した。騒然となる警察とマスコミ。やがて、失踪から18日後、4人の生徒のうちの一人、女子高校生リズだけが薄汚れ、憔悴しきった姿で発見される。リズに、そして3人のクラスメイトにいったい何が起こったのか? 事故なのか、それとも犯罪か? 真相解明とリズの精神的ダメージを癒すため犯罪精神科の女医フィリッパがカウンセリングを始める。やがて、リズはビデオカメラに向かって、悪夢の顛末を語り始める……。
まさに曲者少女ソーラ・バーチの独壇場。いわゆる“藪の中”的回想シーンで幾通りもの人格を見事に演じ分け、それぞれに十分な説得力を与えている。ミステリーとしてもショッカー映画としてもそこそこ楽しめるけれども、本作の魅力のほとんどは、やはりソーラ・バーチの演技に尽きるだろう。それにしてもソーラ・バーチのダメダメ少女ぶり、ますます磨きがかかってきた。