
アメリカのベストセラー作家ジョン・グリシャムのデビュー作をもとにした法廷サスペンス。ミシシッピー州の街カントンで10歳の黒人少女が二人の白人青年に暴行を受けるという事件が起った。娘のいたいけな姿に心を傷めたその父カール・リーは、マシンガンを持って裁判に出向き、その青年2人を射殺してしまう。新米弁護士として働くジェイクは有能な法学生エレンの助けを借りてカール・リーの弁護を務める事になるが、この事件は彼の周りで大きな犠牲者を生み始め、やがて白人と黒人を巡る大きな社会問題へと発展してゆく……。娘思いの父親が犯した殺人事件を通じて人間の愛や絆、そしてその背景にあるアメリカの人種問題を描いた作品であるが、見た目は派手なエンターテイメントに仕上がっているものの、同じテーマを扱った傑作「白く渇いた季節」に比べると、そのテーマの重さから底の浅い作品と言わざるを得ない。