
第2次大戦末期にアウシュビッツ強制収容所で実際に起きた事件をもとにつくられた舞台劇を豪華俳優陣の共演で映画化したヒューマン・ドラマ。ナチスに特別待遇を受け生き長らえるユダヤ人が、自らの“任務”に葛藤する様と、奇跡的にガス室から生き残った少女の命を守るために奔走する姿をリアルに描く。監督・製作・脚本は「O〔オー〕」のティム・ブレイク・ネルソン。
1944年、アウシュビッツ強制収容所。ユダヤ人のホフマンは、同じユダヤ人をガス室に送るなどの特別任務を担う“ゾンダーコマンド”としてナチスのために働いていた。その見返りは食事と4ヵ月の延命。一方で彼は、密かに同じユダヤ人である焼却場のアブラモウィックスや軍需工場で働く女囚ダイナらと死体を焼き続ける焼却炉の破壊を計画していた。それは、彼らにできる最後の抵抗だった。そんなある日、ホフマンはガス室で死体処理中、奇蹟的に生き残った少女を発見する。ニスリ医師の手当で一命を取り留めたその少女を、彼は危険を承知で匿うのだった…。