
独立記念日の夜、テキサス州ヒューストンの下水工事現場から複数の手首が見つかった。手のひらには連番の数字が書かれており、その切り口は鋭利で縫合手術の跡まであったが、警察を驚かせたのはそれが全て子供のものである事だった。州警察から心理分析を専門とする女性捜査官オードリーが派遣されてくるが、捜査自体は難航していた。やがて、オードリーの元へ一つの情報が寄せられる。精神病院に収用されている少年の壁に連番数字の入った手首の絵が描かれているというのだ……。
“空の「ダイ・ハード」”とまで形容された快作「インターセプター」のM・コーンが、今度は「羊たちの沈黙」にインスパイアされて(「X−ファイル」の影響もあろう)脚本・監督した作品であるが、その面白さはなかなかのものだ。序盤のツカミもさることながら、中盤の捜査、そしてクライマックスまで、異様な雰囲気を保ったまま展開する物語はダレる事なく進んでいく(多少、脚本に御都合的なものもあるが、エンタテインメントとしては充分な許容範囲である)。「ユニバーサル・ソルジャー」やTV「NY市警緊急出動部隊トゥルー・ブルー」(パイロット版のビデオは「ニューヨーク特殊部隊/E・S・U出動!」)のA・ウォーカーもジョディ・フォスターばりの頑張りを見せているが、同じく「羊たちの沈黙」に影響されているTVムービー「捜査官ジーナ」のヘレン・ハントと見比べてみるのも面白いだろう。