
物語は地球という星の、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキという5つの都市の5人のタクシー・ドライバーが、同じ夜、乗客を交えてそれぞれに繰り広げられる5つの物語で進行してゆく。本作はジャームッシュの作品に共通して見られる奇妙な可笑しさ、卓越したセンスが冴える会話に加え、背景に広がる空しさに満ちた荒涼感は健在であり、その独自の雰囲気で好き嫌いがハッキリと二分される彼の作品にしては割りと門戸が広く、様々な人が楽しめる作品に仕上がっている。特に、ニューヨークが舞台の話と、ロベルト・ベニーニ主演によるパリの話がお勧め。