
「ベルリン・天使の詩」「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が、「パリ、テキサス」で仕事を共にしたサム・シェパードを再び脚本に迎え撮り上げた感動ストーリー。主演も同じくサム・シェパード。人生もなかばを過ぎた一人の男が、初めて“家族”と向き合おうとする姿を美しいアメリカの原風景の中に綴る。
かつては西部劇のスターとして鳴らしたものの、いまやすっかり落ちぶれてしまった俳優ハワード・スペンス。突然すべてに嫌気がさした彼は、撮影現場から逃亡、カウボーイの衣装のまま荒野の中に馬を走らせていた。やがて彼は、家を飛び出して以来30年近く帰っていなかった母親のもとへと向かった。突然の帰郷にも息子を温かく迎える母。そして彼女はハワードに思いがけない事実を告げる。20数年前、若い女性からハワードの子供を身ごもったとの連絡があったというのだ。まだ見ぬ子供の存在を知ったハワードは、かつて関係を持ったウェイトレス、ドリーンのもとを訪ねるのだったが…。