
実在の映画監督で、“史上最低の監督”と謳われた、エドワード・D・ウッド・ジュニア--通称エド・ウッドの伝記的作品。50年代のハリウッド。スタジオの片隅で使い走りをしながら、映画監督になる日を夢見て働いていた映画青年エドは、ある日業界誌に載った性転換をした男性の物語の映画化を知り、矢も楯もたまらずそのプロデュサーのもとへ押しかけた。本物の服装倒錯者だったエドは、シナリオを3日間で書き上げ、ふとしたきっかけで知り合った往年のドラキュラ俳優、ベラ・ルゴシを出演させることを条件に資金を調達、その映画「グレンとグレンダ」で監督デビューを飾るが……。心から映画を愛し、夢を追い続け、そして史上最低の映画監督と謳われた男エド・ウッド。お堅い伝記作品というよりも、自身も彼の同類であると自認する製作・監督のティム・バートンが、そんな彼のキャラクターに重点を置き、ユーモアを持って、実に温かい目で描いた秀作。