
かなりの出来のホーム・コメディなのだが、キャストの地味さゆえにか未公開に終わった全米トップ10ヒット作品。エヴァリー・ブラザースのタイトル曲に乗って、わが子を思うバツイチ同士の男たちの友情と、それを取り巻くさまざまの人間模様が軽快に描かれる。
エリート・サラリーマンのモディーン、自動車教習官のクエイド、不動産屋のライザーは高校以来の腐れ縁。揃って離婚経験者で週末だけのパパ業を不満に思っているが、今日もマクドナルドに集って、子供たちをお迎え。スケジュールはびっちりだ。プレイボーイのモディーンは、娘の所属する野球のミニゲーム・チームの試合を応援する母親連に片っ端から声をかけ、それが一斉に手料理持参で水入らずの家に押しかけたものだから婚約者の顰蹙を買う。クエイドはブラインド・デートの相手で口から先に生まれたようなJ・ガロファロー(快演!)にすっかり圧倒される。また彼は、セラピストがDJの離婚者向け番組が癪の種で、ついにはラジオ局ジャックに走る。ライザーは多感な時期を迎えた中学生の長女にどう接してよいか分からず悩み、別れた妻に思いを残しつつもモディーンの前妻と恋仲になる……といったエピソードに、彼らのサロンと化すマクドナルドで老年再雇用政策で働くようになったやもめ老人とバイト高校生の友情物語(それだけで一本になるほど魅力的)をうまく綾なしたのが功を奏しており、思わぬ拾い物をした気分になった。